
傾斜地からのショットで重要なのは、バランス感覚です。それを引き出すには、心のゆとりが大切です。
いつもと違う部分を気にしない
心にゆとりがないと、目の前の事実にとらわれ、様々な情報を的確にキャッチできなくなってしまいます。
日常と違う環境に置かれると、いつもと違う部分ばかり気になって、それに必死に合わせようとし、緊張してしまうのです。
例えば都会の人が、雪道を気をつけて歩くほど滑ってしまうのも、これに当てはまります。あまり雪の降らない地方の人にとって、雪道は特殊な状況です。
「雪は滑る」という先入観のみで、一歩一歩、前の人の足跡などを見ながら注意深く歩いていると、どこかで必ず転びそうになるはずです。
どんな状況でも、基本的に足元を意識してしっかりと足裏全体で体重を支えていれば問題ないはずです。その心のバランスが取れないまま雪道に出ると、カラダのバランスも同様に乱れてしまうのです。
心とカラダのバランスのズレ
うまくいかないのは、心のバランスがとれていないからかもしれません。斜面を歩くことに慣れていないと、カラダでいくらバランスをとろうとしてもなかなかうまくいきません。
「斜面=特殊な状況」と感じた瞬間から心のバランスが乱れ、その結果体のバランスも乱れてしまうのです。
この「心とカラダのバランス」を整えるには、普段からその状況にカラダを慣れさせておくか、心を慣れさせておくかのどちらかになるでしょう。心のバランスが取れていれば、過剰な意識もなくなります。
この「心とカラダのバランス」については、体重のかけ方やクラブの選択、そして状況に応じたスイングの幅の広さなどの技術的な基本を理解しているのが大前提です。その上でメンタル要素が影響するのです。
100を切るために
特殊な状況に遭遇すると、普段との違いに気づいた時点でイメージが膨らみ、過剰に意識してしまいがちです。
平地で生活している我々にとって、斜面に立つことは特殊です。さらにそこからボールを打つのは、もっと特殊なのです。
でも、考えてみましょう。普段坂道を登るときに何か考えていますか。重いものを担いでいたとしても、自然にバランスがとれているはずです。それは、心もカラダもその状態に慣れているからです。
例えばゴルフ場に向かう車でカーブを曲がるときや電車で立っているときに、自分の正中線が水平に対してどうなっているかを意識してみてください。ラウンドの直前まで学習しておくことで、脳にその余韻が残ります。
前へ←
→次へ